共感ではない
映画『クローサー』を見た。
メインキャストはジュリア・ロバーツ、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、クライヴ・オーウェン。海外俳優に疎い私でも3人目までは知っているからかなり豪華なのだろう。どんな映画か、誰が出ているのか、製作国、受けた評価等の前知識無しに見たのが良かったのか、結構好きですこの映画。
以下ネタバレ含む感想を少し。
まず『クローサー』というタイトル。英語苦手な私は鑑賞前このタイトルから「閉じる人?」とか思ってたのですが、開始早々のナタリー演じるアリスの台詞「ハロー、ストレンジャー」によって“closer=親しい人”であることがわかった。そして、この映画のメインの4人はつきあったり分かれたり寝たりといったことを繰り返しながらも、結局はストレンジャーのままなのだということ。『クローサー』というタイトルにも関わらず。ダンはアリスの本名も最後まで知らないままで、ラリーには本名教えてるのに信じないし。「ハロー、ストレンジャー」って台詞、何回か出てきたと思ったのだけどカッコイイ。
あとナタリー・ポートマンがこの映画では輝いていた。彼女の(にわかではありますが)ファンなので贔屓目もあるものの。ストリッパーを演じたシーンもそれほど嫌らしくはならずどこか純粋さを兼ね備えているというか、それでいて本名を恋人に明かさないでいるところとか。ラスト間近のダンに「もう愛していない」と言うシーン、ラストのNYの雑踏を歩んでいくシーンはとても格好良く、秀逸だとおもった。
鑑賞後某レビューサイトを見たら散々な言われようだったので少し驚いた。そして批判している人の大体に共通しているのが「共感できない」という意見だった。確かに私だっていい年して卑猥な言葉を吐きまくるラリーやネカマでエロチャットやるダンやあの場面で寝てしまうアンナには共感できなかったけれども、”共感”のみが映画を量る尺度ではないと思うのです。
私はこの映画を全面的に共感はしないけれども、理解はできるというか、そういったシーンはいくつもあったし、何より会話が聞いてて楽しかったです。いささか下ネタが過ぎるきらいはあったけれども、あのテンポはとても心地よいものでした。
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”共感できない”ついでに最近見た『2001年宇宙の旅』について。
おそらく名作中の名作の一つであろうこの映画をやっとみました。もう映像の素晴らしさときたら!60年代製作とは到底思えない。現代の私がみてこうなのだから、公開当時に見た人はさぞ衝撃を受けたのではないであろうか。内容の方は一度見ただけでは理解できそうも無いものでした。あのラストシーンはどういうことなんだろう。というか、何度見ても理解なんかできないのではないか?と感じさせる。でも映像だけですごく好きだ。最近のSFによくあるCGの質感が未だに苦手なので尚更。
全編通しても台詞も心理描写もほとんどないこの映画は、おそらく共感されるために作られたものではないはず。
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